特集 急性白血病の薬物療法のupdate ~最新の診断・治療戦略~
7.CD19 CAR-T:FDA承認(小児治療抵抗性B-ALL)
永井純正
1
1東京大学医科学研究所先端医療研究センター遺伝子治療開発分野・講師
pp.1239-1243
発行日 2018年5月1日
Published Date 2018/5/1
DOI https://doi.org/10.20837/12018051239
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CD19を標的としたCAR-T(キメラ抗原受容体T細胞)療法が注目されており,その中で,2017年8月30日付で,米国食品医薬品局(FDA)が承認した最初の遺伝子治療として,tisagenlecleucelが小児の再発難治性ALL(急性リンパ性白血病)に対して米国で承認された。長期成績はまだ不明であるものの,81%と非常に高い完全寛解率が報告され,高い有効性が期待されている。その一方で,CAR-T療法の一般的な副作用で特に着目すべきものとして,サイトカイン放出症候群と神経毒性があり,FDAもトシリズマブの効能追加承認を同時に行うなど,これらの副作用に対して安全対策をとっている。