特集 急性白血病の薬物療法のupdate ~最新の診断・治療戦略~
4.VyxeosTM(CPX-351):FDA承認(未治療・治療関連AML,AML-MRC)
薄井紀子
1
1東京慈恵会医科大学附属第三病院腫瘍・血液内科・客員教授
pp.1223-1228
発行日 2018年5月1日
Published Date 2018/5/1
DOI https://doi.org/10.20837/12018051223
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急性骨髄性白血病(AML)の新規治療薬として米国食品医薬品局(FDA)から承認されたヴィクシオス(VyxeosTM)(開発記号:CPX-351)は,シタラビン(Ara-C)とダウノルビシン(DNR)の分子を5対1のモル比で脂質二分子膜の内側に封入しているリボソーム化合物である。まず,臨床第I相試験で,安全性と有効性が示された。次に,強力な化学療法が可能な高齢者の初発AMLを対象とした7+3療法との臨床第II相比較試験において,CPX-351(100U/m2-90分点滴静注で第1,3,5日)は,高い有効性(完全寛解〔CR〕率と生存率)が示された。特に治療関連AMLや造血器腫瘍の疾患(骨髄異形成症候群など)を有するAMLには有意に高いCR率が得られ,AMLの治療成績の向上に寄与する可能性が示唆された。