特集 急性白血病の薬物療法のupdate ~最新の診断・治療戦略~
1.序:急性白血病の薬物療法の現状と歴史的経緯
東條有伸
1
1東京大学医科学研究所分子療法分野・教授
pp.1205-1207
発行日 2018年5月1日
Published Date 2018/5/1
DOI https://doi.org/10.20837/12018051205
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造血器腫瘍のうち骨髄腫やリンパ腫,また慢性白血病に関しては,画期的な新薬の登場によって,30年前と比べて治療体系に大きな変革があった。これに対して急性白血病,特に急性骨髄性白血病の治療は過去30年間大きな進歩がなく,寛解導入療法の成績もほとんど改善されていない。このような状況の中で,急性白血病の治療に変革をもたらすと期待される薬剤が2017年米国食品医薬品局(FDA)によって次々と承認され,今後わが国にも導入されようとしている。本稿では,その動向について説明する。