連載 医薬品情報(DI)室より 注目の新薬情報〈27〉
ベンリスタ点滴静注用120mg,同400mg/ベンリスタ皮下注200mgオートインジェクター,同シリンジ
小泉貴寛
1
,
鈴木幸司
1
,
井関健
2
1北海道大学病院薬剤部
2北海道大学病院薬剤部・薬剤部長/北海道大学大学院薬学研究院臨床薬剤学研究室・教授
pp.1087-1089
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.20837/12018041087
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◆製剤の特徴 「ベンリスタ点滴静注用120mg,同400mg/ベンリスタ皮下注200mgオートインジェクター,同シリンジ(ベリムマブ〔遺伝子組換え〕)」は,新規作用機序を有するSLE(全身性エリテマトーデス)治療薬である。完全ヒト型抗BLyS(Bリンパ球刺激因子)モノクローナル抗体製剤である本剤の開発は,TNF(腫瘍壊死因子)リガンドスーパーファミリーに属するBLySに関し,B細胞のアポトーシス阻害や免疫グロブリン産生細胞への分化に対する寄与,SLEならびにその他の自己免疫疾患患者における過剰発現,血清中濃度とループス疾患の活動性の相関等が知られていることより進められた1)~3)。本邦では2017年12月に点滴静注用製剤と皮下注製剤の2種が同時に上市された。2018年1月時点での効能・効果「既存治療で効果不十分なSLE」にある通り,本剤はSLE治療の中心であるステロイド療法や,これに対して抵抗性もしくは重篤な副作用を有する場合に行われる免疫抑制薬等での治療によっても疾患活動性を有する際,これらに上乗せして使用される。