連載 医薬品情報(DI)室より 注目の新薬情報〈26〉
アメナリーフⓇ錠200mg
小泉貴寛
1
,
鈴木幸司
1
,
井関健
2
1北海道大学病院薬剤部
2北海道大学病院薬剤部・薬剤部長/北海道大学大学院薬学研究院臨床薬剤学研究室・教授
pp.889-891
発行日 2018年3月1日
Published Date 2018/3/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201803889
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◆製剤の特徴 「アメナリーフ®錠200mg(アメナメビル)」は本邦で創製された経口抗ヘルペスウイルス剤であり1)2),2017年12月現在,「帯状疱疹」を効能・効果として承認されている。本剤の最大の特徴は新規作用機序を有することであろう。2017年9月の本剤上市以前より,わが国ではアシクロビル3)とバラシクロビル塩酸塩4)(アシクロビルのプロドラッグ),ならびに,ファムシクロビル5)の3剤が経口抗ヘルペスウイルス剤として既に承認されていた。これら3剤はいずれも核酸類似体であり,ウイルス感染細胞内で三リン酸化されてdGTP(デオキシグアノシン三リン酸)と競合的に拮抗することでウイルスDNAの複製を阻害し,抗ウイルス作用を示す。一方,本剤は非核酸類似体であり,ヘルペスウイルスDNAの複製に必須の酵素であるヘリカーゼ・プライマーゼ複合体の活性を阻害することにより,二本鎖DNAの開裂ならびにRNAプライマーの合成を抑制し,抗ウイルス効果を発揮する。