連載・医薬品情報(DI)室より 注目の新薬情報〈38〉 一般名:グセルクマブ(遺伝子組換え)
トレムフィア®皮下注100mgシリンジ
山下諒祐
1
,
齋藤秀之
2
1熊本大学病院薬剤部医薬品情報室
2熊本大学病院薬剤部医薬品情報室教授/薬剤部長
pp.869-871
発行日 2019年3月1日
Published Date 2019/3/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201903869
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「トレムフィア®皮下注100mgシリンジ(グセルクマブ)」(以下,本剤)は,ヒトインターロイキン(IL)-23のp19サブユニットタンパク質と特異的に結合するヒト型免疫グロブリンG1λ(IgG1λ)モノクロナール抗体である。IL-23はT細胞およびナチュラルキラー(Natural Killer:NK)細胞表面に発現する受容体に結合することで細胞の活性を誘導するが,本剤はIL-23受容体へのIL-23の結合を阻害し,細胞内シグナル伝達並びにそれに続く活性化およびサイトカイン産生を抑制することで効果を示す。本剤は既存治療で効果不十分な尋常性乾癬,関節症性乾癬,膿疱性乾癬,乾癬性紅皮症,掌蹠膿疱に適応を有する薬剤であり,2018年11月に生物学的製剤で国内初の掌蹠膿疱症治療薬として適応追加承認を取得した。