特集 精神科領域における薬物療法の現状と薬剤師の役割
3.統合失調症の薬物療法における薬剤師の役割
亀井浩行
1
1名城大学薬学部病院薬学研究室・教授
pp.1013-1018
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.20837/12018041013
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統合失調症の治療は薬物療法が主であり,再発・再燃の防止には服薬の継続が不可欠である。近年,薬理学的性質や副作用発現において従来の抗精神病薬と異なる種々の第二世代抗精神病薬が導入されたことから,これらの薬剤の薬効評価や副作用モニタリングとその対処に関する薬学的管理が求められている。また,薬物療法を行う上で大きな問題点として,服薬アドヒアランスの不良があげられる。服薬アドヒアランスを阻害する要因の一つに,薬剤による副作用が考えられるが,これは抗精神病薬の多剤大量投与に起因することが多く,その是正に向けた取り組みが必要である。統合失調症治療において,患者の疾患と薬剤の特性を熟知した薬剤師による支援が期待されている。