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第1土曜特集 不眠症──研究・診療の最新知識
不眠関連疾患
統合失調症と睡眠
Sleep disorders in schizophrenia patients
水木 慧
1
,
小曽根 基裕
1
Satoshi MIZUKI
1
,
Motohiro OZONE
1
1久留米大学医学部神経精神医学講座
キーワード:
睡眠障害
,
睡眠ポリグラフ(PSG)
,
紡錘波
,
病状評価尺度
,
抗精神病薬
Keyword:
睡眠障害
,
睡眠ポリグラフ(PSG)
,
紡錘波
,
病状評価尺度
,
抗精神病薬
pp.997-1000
発行日 2022年6月4日
Published Date 2022/6/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28110997
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統合失調症と睡眠の関連性は古くから指摘され,さまざまな睡眠障害が統合失調症に併存する.統合失調症患者の睡眠ポリグラフ(PSG)所見ではレム潜時の短縮などがみられるが,うつ病をはじめとした精神障害でも同様の変化が起こっていることから疾患特異性には乏しい.近年,Ferrarelliらによって紡錘波に相当する脳波成分の数,振幅,持続時間が統合失調症患者では著しく低下していることが明らかとなり,統合失調症に特異的な変化であることが示唆されている.さらに紡錘波と手続き記憶との関連性も明確化され,統合失調症に伴う認知機能障害と紡錘波の減少との関連に対して近年関心が高まっている.紡錘波に対する薬物の影響はエスゾピクロンについての報告はあるものの,その他薬剤によるエビデンスは乏しく,今後,抗精神病薬による影響を明らかとすることで,統合失調症の認知機能改善の新たな戦略になりうる可能性がある.
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