連載 リスクマネジメント~院内での薬剤師の活動~(124)
医薬品の適正使用に向けた電子カルテからオーダー可能なファーマコゲノミクス検査体制の構築
平大樹
1
,
寺田智祐
2
1滋賀医科大学医学部附属病院薬剤部/立命館大学薬学部医療薬学研究室
2滋賀医科大学教授・医学部附属病院薬剤部長
pp.865-868
発行日 2018年3月1日
Published Date 2018/3/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201803865
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ファーマコゲノミクス(PGx)検査は,個々の患者の薬物代謝酵素等の遺伝子多型に基づいた薬剤選択,投与量調節により,個別化薬物療法の実現を可能とする検査として期待が高まっている。多くの臨床薬理学的研究によりエビデンスが集積され,現在ではその成果をどのように臨床へ普及させるかというステージに来ている。しかし,欧米に比べ,本邦ではガイドライン策定や国民への啓発活動など,さまざまな観点から社会実装が遅れている。滋賀医科大学医学部附属病院では,電子カルテシステムと連動したPGx検査を構築し,薬物療法のリスクマネジメントに活用している。本稿ではPGx検査体制の構築の経緯とその活用状況を紹介する。