連載 薬剤師による処方設計〈66〉
中国労災病院におけるTDM を用いた処方提案の実践
木村竜司
1
,
松田翔平
1
,
前田頼伸
2
1中国労災病院薬剤部
2中国労災病院薬剤部 薬剤部長
pp.871-877
発行日 2018年3月1日
Published Date 2018/3/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201803871
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中国労災病院(以下,当院)では,処方提案を行う際の一つのツールとして治療薬物モニタリング(TDM)を役立ててきた。TDM の対象薬剤の一つに,バンコマイシン(VCM)がある。当院ではVCM が上市された1991年から薬剤部でTDM を実施してきたが,2016年4月から患者の推算糸球体濾過量(eGFR)に応じた負荷投与および投与量調節が推奨されている抗菌薬TDM ガイドライン2016に準じてVCM を投与している。より良い薬物治療のためには初期投与設計だけでなく,定期的な血中濃度測定や,患者の病態のアセスメントなどが必要である。そこで本稿では,当院でのTDM 業務体制や,薬物療法支援について紹介する。