特集 脳神経・頭頸部の画像診断update
総説
タウイメージングの現状と将来展望
岡村 信行
1
,
古川 勝敏
1東北医科薬科大学 医学部薬理学
キーワード:
Alzheimer病
,
分子構造
,
Tau Proteins
,
分子プローブ
,
新薬開発
,
陽電子放射型断層撮影
,
分子イメージング
,
THK-5117
,
THK-5351
Keyword:
Alzheimer Disease
,
Molecular Structure
,
Molecular Probes
,
tau Proteins
,
Positron-Emission Tomography
,
Drug Discovery
,
Molecular Imaging
pp.1635-1640
発行日 2016年11月10日
Published Date 2016/11/10
DOI https://doi.org/10.18888/J01565.2017096476
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アルツハイマー病(AD)の治療標的としてタウ蛋白への注目が高まっている。本稿では、タウPETプローブの開発状況と最近の臨床研究を紹介しながら、タウイメージングの潜在的な役割について考察した。アミロイドPETはAD発症高リスク者を早期段階で特定するのに役立ち、近年の予防的介入研究にも積極的に導入されているが、アミロイドβが蓄積し始めてから認知症の発症に至るまでには長い潜伏期間が存在するため、数年後の予後を予測するのには向いていない。タウ蛋白の蓄積は認知症の進行とより直接的に関連するため、近未来の予後予測により適した検査であると考えられる。また、AD典型例においてタウ病理はステレオタイプな進展様式を示すため、プローブの集積範囲に関する情報を疾患重症度の把握に役立てることもできる。
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