特集 薬剤耐性(AMR)対策アクションプランが示す方向性~新規抗菌薬・診断法の開発を含めて~
2.日本の薬剤耐性(AMR),世界の薬剤耐性(AMR)
大神田敬
1
,
松本哲哉
2
1東京医科大学微生物学分野
2東京医科大学微生物学分野 主任教授
pp.797-802
発行日 2018年3月1日
Published Date 2018/3/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201803797
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薬剤耐性(AMR)を有する菌の種類や広がり方は,国や地域によって異なる。日本では以前から問題になっていたメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)やペニシリン非感性肺炎球菌に加えて,基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ(ESBLs)産生菌の分離頻度が増加傾向にある。
その一方で,アジア各国や欧州,南米ではカルバペネマーゼ産生腸内細菌科細菌(CPE)やバンコマイシンン耐性腸球菌(VRE),多剤耐性アシネトバクター(MDRA)が広がり,米国などではそれらに加えて市中感染型のMRSAも深刻な問題となっている。
これらの耐性菌は耐性機序の種類やタイピングによって,さらに地域ごとに異なる特徴を有しているが,今後,さらに広がって世界的に深刻な状況に陥ることが予想される。