特集 急増するアレルギー疾患の現状と今後の対策~アレルギー疾患対策基本法の推進に向けての展望~
6.アレルギー性鼻炎・花粉症対策の現状と課題~アレルギー疾患対策基本法に鑑みて~
岡本美孝
1
1千葉大学大学院医学研究院耳鼻咽喉科・頭頸部腫瘍学・教授
pp.289-293
発行日 2018年2月1日
Published Date 2018/2/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201802289
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
依然として患者数が増加していると考えられるアレルギー性鼻炎は,いったん発症すると多くの患者では症状の改善は短期間では見られない。アレルギー対策基本法が施行され,その理念を実行に移すための指針が策定されたが,アレルギー性鼻炎,中でもスギ花粉症はわが国特有の疾患で,その患者数が多いことから,特に対策の必要性が指摘されている。
基本的な花粉症対策と関連して花粉飛散情報の提供は重要であるが,現在国内ではその体制は整備されておらず,喫緊の課題となっている。治療に関しては,舌下免疫療法が基本的治療として期待されているが,その普及には効果の持続,寛解率,バイオマーカー,効果予測因子等の解明が必要である。