特集 急増するアレルギー疾患の現状と今後の対策~アレルギー疾患対策基本法の推進に向けての展望~
4.喘息・成人アレルギー疾患対策の現状と課題
山口正雄
1
1帝京大学医学部内科学講座呼吸器・アレルギー学・教授
pp.275-281
発行日 2018年2月1日
Published Date 2018/2/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201802275
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成人のアレルギー疾患のうち,内科に所属するアレルギー専門医が特に多く診療する疾患は,喘息である。喘息死は2016年には1,500人を割り順調に減少し続けているが,これを更に減少させゼロを目指すためには,成人,特に高齢者の喘息をどのように診療していくかが重要な問題である。
食物や薬物のアレルギーについては受診を希望する成人患者が潜在的に多く存在するが,診療を受け入れる内科のアレルギー専門医が少ない点が課題である。特に,全身症状を呈するアナフィラキシーや呼吸器症状を示さないアレルギー疾患の診療体制が病院ごとに異なり,分かりにくいことは改善していく必要があろう。本稿では,内科における種々のアレルギー疾患への対応の問題点や課題を整理し,今後の整備に役立つことを願うものである。