連載 薬剤師による処方設計〈64〉
病棟薬剤師による注射用抗菌薬の投与量確認および介入に関する取り組み
中蔵伊知郎
1
,
柴野理依子
2
,
今西嘉生里
1
,
坂倉広大
1
,
佐光留美
3
,
福田利明
3
,
山﨑邦夫
4
1国立病院機構 大阪医療センター 薬剤部 /感染制御部
2国立病院機構 大阪医療センター 薬剤部
3国立病院機構 大阪医療センター 薬剤部 副薬剤部長
4国立病院機構 大阪医療センター 薬剤部 薬剤部長
pp.133-139
発行日 2018年1月1日
Published Date 2018/1/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201801133
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近年,抗菌薬適正使用の実施は,薬剤耐性菌対策の観点から重要視されている。大阪医療センター薬剤部では,病棟薬剤業務の医薬品適正使用推進の一環として,病棟専任薬剤師による注射用抗菌薬の用法・用量の確認および介入の取り組みを,2015年6月より開始した。本取り組みにより,病棟薬剤師による抗菌薬の用法・用量のマニュアル逸脱処方例(逸脱処方例)に対する介入率は上昇し,医師の逸脱処方例の割合は減少した。また,本取り組みデータの蓄積により,周術期予防投与に関する問題点が明らかとなり,クリニカルパスの変更へと至った。本取り組みは,抗菌薬適正使用支援へのアプローチとして,一定の効果があるものと考えられた。