特集 遺伝子治療における技術革新の現状と課題
3.筋ジストロフィーの遺伝子治療
喜納(早下)裕美
1
,
岡田尚巳
2
1日本医科大学 社会連携講座 細胞遺伝子治療学
2日本医科大学 生化学・分子生物学(分子遺伝学)・大学院教授
pp.67-71
発行日 2018年1月1日
Published Date 2018/1/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201801067
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筋ジストロフィーは,骨格筋の変性・壊死・再生により筋萎縮や筋力低下を引き起こす疾患の総称であり,さまざまな遺伝学的あるいは組織学的な分類がなされている。中でもデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)は,発症頻度が高く,その3分の1は家族歴のない新生突然変異である。臨床症状が進行性で重篤であることから,遺伝子治療を行う対象疾患としてさまざまな研究がなされている。
本稿では,筋ジストロフィーの中でもDMDに対する遺伝子治療の現状と,その問題点,筆者らが試みた先天的免疫寛容誘導による治療遺伝子の機能解析,免疫調整作用を持つ細胞を併用した免疫寛容誘導療法について述べる。