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第1土曜特集 二次性心筋症──Present and Future
収縮不全を主徴とする二次性心筋症
遺伝子治療時代の筋ジストロフィー心筋症
Dystrophic cardiomyopathy in the gene therapy era
木村 公一
1
,
大門 雅夫
2
,
青木 吉嗣
3
Koichi KIMURA
1
,
Masao DAIMON
2
,
Yoshitsugu AOKI
3
1東京大学医科学研究所総合診療科/循環器内科
2同医学部附属病院検査部/循環器内科
3国立精神・神経医療研究センター遺伝子疾患治療研究部
キーワード:
筋ジストロフィー
,
ジストロフィン
,
心筋症
,
アンチセンスオリゴ核酸医薬
,
エクソンスキッピング
Keyword:
筋ジストロフィー
,
ジストロフィン
,
心筋症
,
アンチセンスオリゴ核酸医薬
,
エクソンスキッピング
pp.406-412
発行日 2021年5月1日
Published Date 2021/5/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27705406
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筋ジストロフィーは筋細胞が壊死と再生を繰り返し,進行性の筋萎縮と筋力低下をきたす遺伝性筋疾患の総称である.筋ジストロフィーのうち重篤な心筋症を合併するのはジストロフィンの遺伝子変異による代表2疾患であり,ジストロフィンタンパクが完全欠損している重症型のデュシェンヌ型筋ジストロフィーと,不完全なジストロフィンタンパクが発現している軽症型のベッカー型筋ジストロフィーが含まれる.人工呼吸管理が確立した現在において,患者の最大死因は心不全であるため,心筋症の管理が患者の予後に大きく影響する.2016年と2019年に米国,2020年に日本でアンチセンスオリゴ核酸医薬が迅速/条件付き早期承認され,デュシェンヌ型筋ジストロフィー患者に対する遺伝子を標的とした治療が始まった.これらの作用機序を含め,デュシェンヌ型/ベッカー型に合併する筋ジストロフィー心筋症の診断と治療について,長年の臨床経験から得た私見を含めて概説する.
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