特集 医薬品の禁忌・適応外使用
1.総論~求められるクリニカル・ガバナンス~
寺田智祐
1
,
佐藤博
2
1滋賀医科大学教授・医学部附属病院薬剤部長
2新潟大学名誉教授
pp.2463-2467
発行日 2017年11月1日
Published Date 2017/11/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201711077
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2016年6月に改正医療法施行規則(厚生労働省令)が施行され,特定機能病院を中心に,医薬品の禁忌や適応外での使用に関する管理・運用体制の変革が行われている。その過程の中で「ガバナンス」というフレーズが繁用されているが,従来は「コーポレート・ガバナンス(日本語訳では,企業統治)」という文脈で使われることが多かった。その後,クリニカル・ガバナンスという概念がイギリスを中心に発展し,日本でも群馬大学の医療事故調査委員会の報告書で使用されている。「医療組織を医療の質と安全で規律づけるための仕組み」と解釈されているが,管理者のみならず,現場の最前線で活躍している医療者が,いかにこのような仕組みを意識し実践するかが,「安全性が確認されていない医療行為」の適切性確保のためには鍵となる。