連載 患者のQOL向上と薬剤師の関わりPART I .院内製剤(86)
神経変性疾患患者に対する唾液分泌抑制効果のある5%スコポラミン軟膏の効果検証
奥貞佳世子
1
,
島田真理
1
,
見上千昭
1
,
西窪奈津子
1
,
西尾孝
1
,
石原佳菜子
3
,
影山恭史
4
,
辻本勉
2
1兵庫県立尼崎総合医療センター薬剤部
2兵庫県立尼崎総合医療センター薬剤部 薬剤部長
3兵庫県立尼崎総合医療センター神経内科
4兵庫県立尼崎総合医療センター神経内科 神経内科科長
pp.2321-2324
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201710137
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神経変性疾患患者では,誤嚥性肺炎を誘発する要因に,唾液の分泌亢進や嚥下機能低下がある。経口投与製剤では全身性の副作用発現が懸念されるため,わが国では院内製剤の5%スコポラミン軟膏を代替薬として使用している。兵庫県立尼崎総合医療センターでも院内で調製しているが,その有効性と安全性を検証する報告は少ない。
今回,当院では5%スコポラミン軟膏の使用により,唾液分泌が減少し,誤嚥性肺炎の予防につながる可能性が示唆されたため,その有効性および安全性について検討した。