特集 抗インフルエンザ薬物療法 update~最新の診断・治療戦略~
2.インフルエンザの診断の進歩:他の呼吸器ウイルス感染との鑑別を含めて
池松秀之
1
1日本臨床内科医会インフルエンザ研究班・リサーチディレクター
pp.2253-2257
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201710069
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日本の臨床現場ではインフルエンザ抗原を検出する迅速診断キットが,その迅速性と簡便さから広く使用されている。インフルエンザの診断法として感度が優れているのは,ウイルス分離やPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法を用いた遺伝子検出であるが,臨床での検討で,迅速診断キットは感度および精度ともに良い成績が得られている。インフルエンザ以外にも,アデノウイルス,RSウイルス,ヒトメタニューモウイルスの診断に迅速診断キットが使用されている。また,検出感度を高めるために新しい技術を導入したインフルエンザの診断機器が開発されている。インフルエンザの診断方法は多様化が進み,呼吸器ウイルス感染の診断も含めて,さまざまな診断法が使い分けられる時代が訪れている。