特集 抗インフルエンザ薬物療法 update~最新の診断・治療戦略~
4.小児におけるインフルエンザの合併症と治療
中野貴司
1
1川崎医科大学総合医療センター小児科学・教授
pp.2269-2273
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201710085
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小児におけるインフルエンザの合併症として,中枢神経合併症は重要である。意識障害,けいれん,異常行動・言動に注意して診療を行う。重篤な合併症である脳症に対する特異的治療として,厚生労働省研究班の指針では抗インフルエンザウイルス薬,メチルプレドニゾロンパルス療法,免疫グロブリン大量療法が呈示されている。呼吸器合併症についてはさまざまな病態があるが,病状に適した基本的なプライマリケアと,重症例には集中治療で対処する。小児のインフルエンザでは,解熱薬の使用について注意事項があることにも留意したい。