特集 インフルエンザの疫学的考察と今日の臨床
5.抗インフルエンザ薬による治療と予防
河合直樹
pp.2431-2440
発行日 2014年10月1日
Published Date 2014/10/1
DOI https://doi.org/10.20837/12014102431
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インフルエンザの治療には,わが国では抗インフルエンザ薬としてノイラミニダーゼ阻害薬(NAI)が主に用いられる。NAIは2001年から登場したオセルタミビル,ザナミビルと2010年から使用開始されたペラミビル,ラニナミビルの4剤が治療薬として,またペラミビルを除く3剤は予防薬としても承認されている。NAIの4剤は投与経路(内服,吸入,点滴静注)や投与回数(1日2回5日間,単回)などが異なり,かつ有効性や安全性に大差がないことから,患者の年齢,状況等を勘案して選択される。なお現在,アマンタジンは薬剤耐性化のためほとんど使用されず,2014年3月に承認された新しい作用機序(RNAポリメラーゼ阻害薬)のファビピラビルは国が必要と判断するまでは製造されない。