連載 医薬品情報(DI)室より 注目の新薬情報〈19〉
スインプロイクⓇ錠0.2mg
八木達也
1
,
川上純一
2
1浜松医科大学医学部附属病院薬剤部
2浜松医科大学医学部附属病院薬剤部 教授/薬剤部長
pp.1945-1947
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.20837/12017081945
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◆製剤の特徴 「スインプロイク®錠0.2mg(ナルデメジントシル酸塩)」は,オピオイド誘発性便秘症(opioidinduced constipation:OIC)を効能・効果とする国内初の末梢性μオピオイド受容体拮抗薬である。μオピオイド受容体は,中枢および末梢に分布する。モルヒネ,オキシコドン,フェンタニル,トラマドールなどのオピオイド鎮痛薬は,主として中枢のμオピオイド受容体に結合することで鎮痛効果を発揮する。一方で,オピオイド鎮痛薬は消化管においてμオピオイド受容体に結合することにより,便秘などの有害作用を引き起こす。本剤は,モルヒナン骨格を有することにより血液脳関門の透過性を低減させ,中枢におけるオピオイド鎮痛薬の作用を阻害することなく,OICを改善する。