連載 医薬品情報(DI)室より 注目の新薬情報〈5〉
プラニケルⓇ 錠200mg
白根達彦
1
,
大野能之
1
1東京大学医学部附属病院薬剤部
pp.1548-1550
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.20837/12016061548
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◆ 製剤の特徴 「プラケニル® 錠200mg」(ヒドロキシクロロキン:HCQ)は,抗炎症作用,免疫調節作用,抗マラリア作用等,多岐にわたる作用を有する薬剤であり,現在,海外では皮膚エリテマトーデス(CLE)および全身性エリテマトーデス(SLE)の標準的治療薬として広く使用されている。しかし本邦では,過去に抗マラリア薬などとして販売されたクロロキン(CQ)の高用量投与による適切でない使用によって網膜症などの甚大な被害が起こり,CQ製剤が販売中止となった経緯があり,本剤の開発も行われてこなかった。そのため,これまで国内におけるCLEやSLEの治療では,ステロイドの局所および全身投与が治療の中心であった。HCQはステロイドとは異なる機序により有効性を示すため,標準的治療薬としてステロイドと併用されるとともに,併用ステロイドの使用量を低減させることが期待される。