連載 クリニカル・パスと薬剤師(70)
肺がん経口分子標的治療薬における皮膚障害マネジメントシステムの構築とクリニカル・パスの導入
佐田裕子
1
,
渡邊裕之
2
,
増田智先
3
1九州大学病院薬剤部
2九州大学病院薬剤部 副薬剤部長
3九州大学病院薬剤部 教授/薬剤部長
pp.1713-1718
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201707139
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経口がん分子標的治療薬であるゲフィチニブおよびエルロチニブなどの上皮成長因子受容体(Epidermal Growth Factor Receptor:EGFR)チロシンキナーゼ阻害薬(tyrosine kinase inhibitors:TKI)の開発により,非小細胞肺がんの治療成績は飛躍的に向上した。一方,EGFRTKIの副作用である皮膚障害は高頻度に発現し,患者の生活の質を低下させることから,治療の継続には,皮膚障害マネジメントが重要である。そこで,九州大学病院では,皮膚障害マネジメントシステムを構築し,クリニカル・パスを導入した。これらの取り組みは,多職種連携による皮膚障害対策を可能とし,さらには皮膚障害の重篤化回避および治療の継続につながると考えられた。