Japanese
English
臨床研究
簡便に導入可能なクリニカルパスシステムによる業務軽減化
Development of an easily introduced and laber-saving clinical pathway system;experience in its use for colorectal polypectomy
畝村 泰樹
1
,
佐伯 知行
1
,
三澤 健之
1
,
高尾 良彦
1
,
山崎 洋次
1
,
鳥居 明
2
Unemura Yasuki
1
1東京慈恵会医科大学外科
2東京慈恵会医科大学消化器・肝臓内科
キーワード:
クリニカルパス
,
大腸ポリペクトミー
Keyword:
クリニカルパス
,
大腸ポリペクトミー
pp.979-983
発行日 2003年7月20日
Published Date 2003/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101459
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はじめに
クリニカルパス(以下,パス)はもはや日本中の病院に定着したといっても過言ではないほど急速に本邦の医療に浸透した.入院期間の短縮,医療の質の標準化,インフォームドコンセントの充実,医療資源使用の適正化,evidence based medicineの推進,患者サービスの向上,リスクマネジメント,教育への利用など,その利点には枚挙に暇がない1).
一方,現場で働く医師にとっては「またひとつ書類が増えた」,「パスと少しでも違うオーダーを出すと文句をいわれる」,「パスを参照しながらオーダーを出すのはかえって面倒だ」,「さまざまな伝票をいちいちセット化するのは誰の仕事なのか?」,「結局,医師個人のメリットとは何なのか?」など,不満の声もあるはずである.しかしこれら個々人の声は,パスは必ずやチーム医療に利点・発展をもたらすという圧倒的な論調の前にかき消されてしまうことになる.
一方,当院においても医療の標準化は解決すべき問題であった.院内で行われる大腸ポリペクトミーは,外科・消化器内科・内視鏡科の3科が,心臓カテーテル検査では循環器内科・心臓外科がそれぞれ独自の方法で周術期管理を行っており,入院期間やケアの質が異なっていた.これを標準化することを目的にクリニカルパスの実質的導入を図った.その際,医師が積極的にパスを使用する動機を得ることが導入成功の鍵となると考え,医師・看護師・事務職員などの業務量の軽減が可能なシステムを考案・作成した.
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