特集 高コレステロール血症治療の現状と展望
8.家族性高コレステロール血症の診断と治療
石橋俊
1
1自治医科大学内科学講座・糖尿病センター 内分泌代謝学部門・教授
pp.875-879
発行日 2017年3月1日
Published Date 2017/3/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201703113
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家族性高コレステロール血症(FH)には,ユニバーサル,オポチュニスティック,カスケードなどのスクリーニング法がある。わが国では高LDL-C(低比重リポ蛋白コレステロール)血症,アキレス腱肥厚や皮膚黄色腫および家族歴に基づく診断基準が,成人向けと小児向けに作成されている。食事療法に加え,ストロングスタチンが広く用いられているが,LDL-Cの治療目標値(成人< 100mg/dL,小児< 140mg/dL)の達成は,スタチン単独療法では困難である。エゼチミブ,PCSK9(proprotein convertase subtilisin/kexin type 9)阻害薬,レジン,プロブコールとの併用が必要になる。難治例にはLDLアフェレシスも実施される。MTP(microsomal triglyceride transfer protein)阻害薬(ロミタピド)により,LDLアフェレシスの実施回数は減少できる。