特集 高コレステロール血症治療の現状と展望
7.MTP阻害薬(ロミタピド)
荒井秀典
1
1国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター副院長/老年学・社会科学センター長
pp.869-872
発行日 2017年3月1日
Published Date 2017/3/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201703107
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ロミタピド(Lomitapide)は現在,欧米および日本で承認されている唯一のMicrosomal Triglyceride Transfer Protein(MTP)阻害薬である。適応は家族性高コレステロール血症(FH)ホモ接合体に限定されるが,ほとんど薬物療法に効果を示さない本疾患においてもLDLコレステロールを約50%低下させることができる。しかしながら,肝臓における脂肪蓄積が主要な副作用であるため,長期的な安全性についても今後の検討が必要である。本稿では本薬剤の背景となるMTPのリポ蛋白代謝における役割と,MTP阻害薬の臨床効果について述べる。