連載 医薬品情報(DI)室より 注目の新薬情報〈13〉
ヌーカラⓇ皮下注用100mg
松田雅史
1
,
寺田智祐
2
1滋賀医科大学医学部附属病院薬剤部
2滋賀医科大学教授・医学部附属病院薬剤部長
pp.725-727
発行日 2017年2月1日
Published Date 2017/2/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201702165
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◆ 製剤の特徴 気管支喘息は気道の炎症性疾患であり,これまでさまざまな治療薬が開発されてきた。近年では,炎症に関わる分子機構の解明とそれに基づいた分子標的治療薬の開発が進み,2009年にはIgE(免疫グロブリンE)に対する抗体製剤オマリズマブ(ゾレア®皮下注用)が上市されるに至った。また,気道の炎症においては,IL(インターロイキン)-5による好酸球増加も大きく関与していることが明らかにされ,IL-5に対する抗体製剤メポリズマブ(ヌーカラ®皮下注用)が開発された。 2つの第III相試験において,有効性の面では,重症喘息患者での従来治療への上乗せによる“喘息増悪頻度の減少”や“経口ステロイド薬維持量の減量”の効果が示されている。一方,安全性の面では23%の患者で副作用が報告され,主なものとしては,注射部位反応,頭痛,過敏症などであった。