機器・薬剤紹介
21.A型ボツリヌス毒素製剤「ボトックス注用50単位/ボトックス注用100単位」
三村 治
1
1兵庫医科大学神経眼科治療学講座
pp.1595-1597
発行日 2017年12月5日
Published Date 2017/12/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000000509
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神経筋接合部では化学伝達物質としてアセチルコリン(ACh)が神経末端より分泌され,筋の受容体と結合して活動電位を発生させる。いくつかの細菌,毒蛇やフグなど生物由来の毒素は神経毒としてこの神経筋接合部に作用し,ACh 伝達を競合的に阻害して筋の麻痺をきたす。これを医学的に利用して過剰な筋の緊張を抑えたり,対象筋の麻痺・脱力を図ったりするものが化学的脱神経(chemodenervation)である。わが国では「眼瞼痙攣」に対するA 型ボツリヌス毒素(botulinumtoxin:以下BTX)が1996 年初めて認可され,その後「片側顔面痙攣」など数多くの疾患への適応拡大があり,2015 年6 月には「斜視」への適応拡大も認められた。既にその治療法については本誌などでも紹介しているので,本稿では私たち眼科医が知っておくべきこれら対象3 疾患に関するBTX の基礎的な知識について解説する。
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