特集 睡眠科学の新潮流
8.睡眠時神経活動と睡眠−覚醒制御機構の数理モデル
辛島彰洋
1
,
中尾光之
2
1東北工業大学大学院工学研究科電子工学専攻・講師
2東北大学大学院情報科学研究科応用情報科学専攻バイオモデリング論分野・教授
pp.669-675
発行日 2017年2月1日
Published Date 2017/2/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201702109
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AserinskyとKleitmanによってレム睡眠が発見されて以来,60年以上にわたってさまざまな研究手法により睡眠研究が進められてきた。例えば睡眠中に神経活動を記録するという電気生理学的な手法を用いた動物実験により,睡眠ー覚醒状態の遷移と同時,または先行して活動を変化させるニューロンが視床下部や脳幹に多数存在することが見出された。これらのニューロンは,睡眠-覚醒サイクルの制御に関わっていると考えられているが,ニューロン間の相互作用は非常に複雑であり,その全容は未だ明らかではない。このような複雑な機構を理解するには,数理モデルが有効である。