特集 薬剤性肺障害の手引き
VI.抗がん薬(分子標的治療薬)による肺障害
齋藤好信
1
,
弦間昭彦
2
Yoshinobu Saito
1
,
Akihiko Gemma
2
1日本医科大学大学院医学研究科呼吸器内科学分野講師
2日本医科大学大学院医学研究科呼吸器内科学分野教授
pp.389-395
発行日 2013年2月15日
Published Date 2013/2/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201303057
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分子標的治療薬の開発は飛躍的であり,毎年新規の分子標的治療薬が上市されている。約10年前に,ゲフィチニブの薬剤性肺障害が問題となって以降,安全性監視の強化がなされ,薬剤性肺障害の啓発が盛んとなった。新規の分子標的治療薬もほとんどが薬剤性肺障害を起こしうるが,安全性監視の一環として積極的に行われるようになった全例調査により,発現状況が正確に把握されるようになってきた。また,治療面においても,mTOR阻害薬のように独自のマネージメントを要求されるものが現れてきており,適正な対応を行ううえで注意が必要である。