第 II 部 注目の新薬
一般名:ボノプラザンフマル酸塩 「タケキャブ® 錠10mg,同20mg」
蘆田潔
1
1洛和会音羽病院・副院長/同消化器病センター所長
pp.266-275
発行日 2016年1月31日
Published Date 2016/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201613266
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ボノプラザンフマル酸塩は,カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(potassiumcompetitive acid blocker:P-CAB)と呼ばれる新規の酸分泌抑制薬である。本剤はプロトンポンプ阻害薬(PPI)と同様,壁細胞における酸分泌の最終段階であるH+K+-ATPaseを阻害することによって酸分泌を抑制する。本剤は酸に極めて安定であり,経口投与後速やかに血中に移行し,また壁細胞に特異的に高濃度に集積する。このため酸分泌抑制作用は迅速,強力かつ持続的である。さらに遺伝子多型のある代謝酵素(CYP2C19)の影響が少ないため,血中濃度に個体差が少ないのも特徴である。酸関連疾患の治療薬として期待されている薬剤である。