第 II 部 注目の新薬
一般名:エロスルファーゼ アルファ(遺伝子組換え)点滴静注用製剤 「ビミジム®点滴静注液5mg」
小須賀基通
1
1国立成育医療研究センター遺伝診療科・医長
pp.276-282
発行日 2016年1月31日
Published Date 2016/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201613276
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エロスルファーゼ アルファ(遺伝子組換え)(ビミジム®)は,ライソゾーム病のひとつであるムコ多糖症(MPS)IVA型(モルキオ症候群A)に対する酵素補充療法製剤である。本剤はグリコサミノグリカンの分解酵素であり,点滴静注後,血中から細胞内,さらにライソゾーム内へ輸送され,ライソゾームにおけるグリコサミノグリカンの過剰蓄積を抑制する。ムコ多糖症IVA型患者176 例の国際共同治験では,本剤の24週間の週1回投与により,6分間歩行距離の延長,尿中ケラタン硫酸の減少が見られた。エロスルファーゼ アルファ(遺伝子組換え)は,わが国のMPS IVA型患者6名が国際共同治験に参加することによりドラッグラグを回避し,欧米諸国とほぼ同時期に承認が可能となった。