特集 薬剤誘発性認知症
1.薬剤誘発性認知症・認知障害の有病率と原因薬剤
篠原もえ子
1
,
山田正仁
2
1金沢大学大学院 医薬保健学総合研究科 脳老化・神経病態学(神経内科学)
2金沢大学大学院 医薬保健学総合研究科 脳老化・神経病態学(神経内科学) 教授
pp.2463-2467
発行日 2016年11月1日
Published Date 2016/11/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201611065
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高齢者では,薬剤誘発性認知症・認知障害が生じやすい。せん妄や認知症は薬剤の毒性によっても生じることが知られており,特に抗コリン作用の強い薬剤は急性,あるいは慢性の認知障害の原因となる。向精神薬,抗てんかん薬も,せん妄や認知症をきたしやすい。高齢者に対しては,副作用の少ない薬剤を選択して慎重に処方量の調整を行う,常に副作用の発現に注意を払うなど,薬剤による認知障害の予防と早期発見が重要である。