特集 インフルエンザの予防・感染対策・治療の最前線
5.第一線の臨床におけるインフルエンザの治療
佐藤晶論
1
1福島県立医科大学小児科学講座・講師
pp.2279-2284
発行日 2016年10月1日
Published Date 2016/10/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201610083
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日本では現在,内服薬であるオセルタミビル,吸入薬であるザナミビルとラニナミビル,点滴静注薬であるペラミビルが,インフルエンザに対する抗ウイルス薬として投与できる。これらはいずれもウイルスノイラミニダーゼ活性を阻害する薬剤であり,あくまで静ウイルス作用により抗ウイルス作用を示しているに過ぎない。そのため,重症化して初めて投与を検討する薬剤ではなく,可能な限り感染早期にウイルス増殖を抑制することで,最大の抗ウイルス効果が期待できる。各薬剤には抗ウイルス効果を発揮するための特徴的な構造や薬物動態があり,それらを理解することで実際の臨床において適切な抗ウイルス薬を選択することができる。