特集 インフルエンザの予防・感染対策・治療の最前線
2.第一線の臨床におけるインフルエンザの診断
廣津伸夫
1
1廣津医院・院長
pp.2259-2267
発行日 2016年10月1日
Published Date 2016/10/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201610063
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感染症であるインフルエンザは,罹患者のみならず,周囲への伝播を極力避けるためにも早期治療が望まれる。そのためにはできる限り早い確定診断を要するが,多くの発熱疾患の中からインフルエンザを見つけ出すことは容易ではない。現在,迅速診断キットが使用されているが,発熱者全員へやみくもに使うことは慎まなければならない。まず,丁寧な問診と理学所見が重要である。加えて,末梢血からインフルエンザを疑うに足る血液所見が得られた場合に,迅速法で確定診断を行うことになるが,正しい検体採取の技術を習熟していることは医師の義務である。迅速キットの限界もわきまえておく必要がある。これらを踏まえて,インフルエンザの診断について述べた。