特集 インフルエンザの予防・感染対策・治療の最前線
6.抗インフルエンザウイルス薬と異常行動
大日康史
1
,
中村裕樹
2
,
菅原民枝
1
,
谷口清州
3
,
宮崎千明
4
,
桃井真里子
5
,
岡部信彦
6
1国立感染症研究所感染症疫学センター・主任研究官
2日本大学大学院薬学研究科
3国立病院機構三重病院臨床研究部長
4福岡市立心身障がい福祉センター・センター長
5国際医療福祉大学・副学長
6川崎市健康福祉局健康安全研究所・所長
pp.2285-2289
発行日 2016年10月1日
Published Date 2016/10/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201610089
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インフルエンザ罹患時に,異常行動を示した症例の使用薬剤に関する情報と,レセプト情報に基づいた処方薬剤ごとのインフルエンザ患者数を用いた,薬剤ごとの異常行動発症率について検討を行った。ノイラミニダーゼ阻害剤の種類ごとのインフルエンザ患者数および異常行動症例数から厳密検定を用いて解析した結果,ザナミビル,ラニナミビル使用例に比べて,使用なしの場合の発症率が有意に高かった。ただし,いずれの薬剤の使用例およびいずれの使用もない場合においても異常行動は報告されていることから,薬剤の使用の有無に関わらず保護者は注意する必要があるとした注意喚起は,妥当であると考えられる。