特集 PK/PDに基づく薬物療法と新薬開発の最前線
9.アルツハイマー疾患治療薬のPK/PD
三好聡
1
1ファイザー株式会社 クリニカル・リサーチ統括部 クリニカル・ファーマコロジー部・部長
pp.1695-1698
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201607105
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アルツハイマー病(AD)の治療薬は限られており,現時点ではコリンエステラーゼ阻害薬に代表される,臨床症状を改善する効果を有する治療薬が使用されている。現在,アミロイド仮説などに基づき,病態メカニズムを標的として臨床症状を遅らせる効果を得ることを目的とした疾患修飾薬の臨床試験が盛んに実施されているが,臨床試験の成功確率が低いことが問題となっている。 近年,ADの進行を数学的モデルで記述した疾患進行モデルが開発・改良され,効果と薬物濃度,ならびにプラセボ効果の関係についての定量的な理解が進み,成功確率の高い臨床試験を計画することが可能となってきている。疾患進行モデルの応用による,ADに対する新薬の開発が期待される。