特集 PK/PDに基づく薬物療法と新薬開発の最前線
5.抗ウイルス薬のPK/PD
猪川和朗
1
1広島大学大学院臨床薬物治療学・准教授/広島大学病院総合医療研究推進センター監査部・部門長
pp.1663-1670
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201607073
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内因性の疾患と違い,感染症における治療の標的と薬物療法の原則はシンプルである。体内へ進入して病的な炎症反応を惹起した体外異物(細菌・真菌・ウイルス)を狙って薬物を投与し,それを死滅または増殖抑制させるというものである。しかし抗菌薬や抗真菌薬と違って,抗ウイルス薬ではPK/PD(pharmacokinetics/pharmacodynamics)パラメータなどが十分に確立されておらず,薬物も多岐多様にわたるため,理論体系化されていないと言える。本稿では,抗ウイルス薬のPKとPDに関して,現時点で得られている知見について述べる。