特集 PK/PDに基づく薬物療法と新薬開発の最前線
8.トロンボポエチン受容体アゴニスト・ルストロンボパグのPK/PD解析
輪嶋恵宏
1
1塩野義製薬株式会社 臨床薬理研究部門・部門長
pp.1687-1693
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201607097
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医薬品開発に掛かる費用・期間が増大し,また,開発のグローバル化に伴い開発戦略がより複雑化している環境下で,PK/PD(pharmacokinetics/pharmacodynamics)解析およびその結果に基づいたシミュレーションによる検討(Modeling & Simulation:M&S)は,効率的な医薬品開発を行う上で重要なツールとして認知され,定着しつつある。また,これらの検討は医療現場の医師や薬剤師に対し,薬物特性や適正使用に関わる情報を提供する側面からも重要な役割が期待される。本稿では,製薬会社におけるPK/PD研究の一例として,2015年9月に日本において承認されたルストロンボパグ(ムルプレタ®)の開発過程におけるPK/PD解析事例を紹介したい。