薬語図鑑-基礎薬学用語を現場で使える知識に訳してみました 第1部 添付文書に登場する用語編
動態
02 PK/PD理論
-PK/PDとは何ですか?どう活用すればいいですか?
望月 敬浩
1
1静岡県立静岡がんセンターRMQC室 専門主査
pp.492-493
発行日 2023年3月31日
Published Date 2023/3/31
DOI https://doi.org/10.15104/ph.2023040002
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図1 にPK/PD(pharmacokinetics/pharmacodynamics)理論の概念図を示しました.a が薬物動態学(PK)で,時間と血中濃度の関係となります. b は薬力学(PD)で濃度と薬理作用または副作用の関係となります.血中濃度を介して,薬物の投与方法と薬効・副作用を結びつける考え方がPK/PD 理論といいます.抗菌薬に関しては,PK パラメータとして,Cmax やAUC(Area under the concentration-time curve,血中濃度- 時間曲線下面積),PD パラメータとして,MIC(minimum inhibitory concentration,最小発育阻止濃度,※微生物の発育を抑制する濃度)がよく用いられます.このような考え方をもとにした,PK/PD 理論による抗菌薬の分類が図2 になります1).化学構造や抗菌スペクトラムによる分類を知っておくことは抗菌薬を選択する重要な知識となりますが,選択した抗菌薬の投与量を最適化するためには,PK/PD による抗菌薬の分類を知っておく必要があります.
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