特集 PK/PDに基づく薬物療法と新薬開発の最前線
2.免疫抑制薬のPK/PDとTDM
増田智先
1
1九州大学病院薬剤部・教授
pp.1646-1651
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201607056
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カルシニューリン阻害薬に分類されるシクロスポリンやタクロリムスは,長らく移植医療における中心的な免疫抑制薬として使用されてきた。一方,これらの腎毒性,中枢毒性など強い副作用を回避するため,TDM(therapeutic drug monitoring)を活用した投与設計の調節が推奨されている。2012年にはミコフェノール酸およびエベロリムスもTDMの対象薬として認められた。免疫抑制薬TDM 標準化ガイドラインは,診療ガイドラインではなく,臓器移植治療を受け,これら免疫抑制薬の使用が決定した患者において,その後の適切な免疫抑制薬の使用を目的として編纂されたものである。TDMに関連するエビデンスを可能な限り集積し,日本TDM 学会と日本移植学会の,それぞれの担当委員が協働してまとめたものである。