特集 C型肝炎治療における新時代の幕開け
6.プロテアーゼ阻害薬を用いた直接作用型抗ウイルス薬(DAA)併用療法の今後
松浦健太郎
1
,
田中靖人
2
1名古屋市立大学大学院医学研究科消化器・代謝内科学
2名古屋市立大学大学院医学研究科病態医科学講座ウイルス学分野・教授/名古屋市立大学病院肝疾患センター・ 副センター長
pp.95-101
発行日 2016年1月1日
Published Date 2016/1/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201601095
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近年,C型慢性肝疾患の治療薬として,ウイルス蛋白を標的としたさまざまな直接作用型抗ウイルス薬(DAA)が開発され,NS3/4Aプロテアーゼ阻害薬はその中心となる薬剤の一つである。本邦においては,2015年10月までに,NS3/4Aプロテアーゼ阻害薬としてテラプレビル,シメプレビル,アスナプレビル,バニプレビルが使用されている。また,オムビタスビル/パリタプレビル/リトナビル併用療法の国内第III相臨床試験の結果からは,ゲノタイプ1b型の症例において,前治療,肝硬変の有無に関わらず高い著効率を達成し,既に承認された。その他にも,プロテアーゼ阻害薬を含んだインターフェロンフリーDAA併用療法の臨床試験が進行中である。