特集 C型肝炎治療における新時代の幕開け
5.ソホスブビルを用いた直接作用型抗ウイルス薬(DAA)併用療法
黒崎雅之
1
,
泉並木
2
1武蔵野赤十字病院消化器科 部長
2武蔵野赤十字病院消化器科 副院長
pp.89-93
発行日 2016年1月1日
Published Date 2016/1/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201601089
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ソホスブビルは,NS5Bポリメラーゼの作用によりHCV RNAが合成されていく過程で,ヌクレオチドの代わりにHCV RNAに取り込まれることで伸長反応を止めるchain terminatorとして作用する核酸型NS5B阻害剤である。ゲノタイプ2型に対しては,ソホスブビルとリバビリンの併用が初めてのインターフェロン・フリー治療として保険収載され,12週間によるウイルス学的著効(SVR)率は,慢性肝炎の初回治療では98%,既治療では96%,肝硬変の初回治療では100%,既治療では89%である。ゲノタイプ1型に対しては,ソホスブビル・レジパスビル配合剤の12週間投与が保険収載され,国内第III相臨床試験におけるSVR率は100%である。プロテアーゼ阻害剤の治療歴や,NS5A耐性変異が存在しても,治療効果は減弱しない。