第 III 部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
前立腺癌・膀胱癌治療薬
小坂威雄
1
,
大家基嗣
2
1慶應義塾大学医学部泌尿器科学教室
2慶應義塾大学医学部泌尿器科学教室 教授
pp.408-416
発行日 2015年1月31日
Published Date 2015/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201513408
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前立腺癌は今後本邦において,男性癌の罹患率第1位になることが予想されている。早期の限局性前立腺癌に対しては根治が期待できるが,転移を有する進行前立腺癌や,既存のホルモン療法・化学療法に耐性の前立腺癌に対しては,効果が限定的であり,新薬の登場が待ち望まれてきた。本レビューは,本邦において2014年から使用が可能になった,アンドロゲン受容体阻害薬エンザルタミドとアンドロゲン産生の律速酵素CYP(チトクロムP450)17A阻害薬であるアビラテロン,ならびに新規抗癌剤カバジタキセルに関する知見を概説する。膀胱癌に関しては,2014年の米国臨床腫瘍学会において報告された,有望な候補新薬の臨床試験の結果を紹介する。