文献抄録
膀胱癌で膀胱前立腺全摘出時に偶然発見される前立腺癌について
pp.714
発行日 1988年8月20日
Published Date 1988/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204808
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膀胱移行上皮癌で膀胱前立腺全摘出時に発見される前立腺癌は,その後の処置に困ることがある。著者らはこのような症例の治験例を,膀胱と前立腺癌のstage,grade別に分類して,術後の予後について検討している。著者らは1983年4月から1986年5月までの3年間に,浸潤性膀胱移行上皮癌患者169例に,尿路変更と同時に根治的膀胱前立腺摘出術を施行したが,摘出組織から45例(27%)に前立腺癌が発見された。この45例中術前に直腸診で癌と診断されたのは1例のみで,他の44例は癌は疑われなかった。膀胱癌のstageでは,4例が粘膜癌,6例はP1,5例はP2,6例はP3A,14例はP3B,3例はP4Aであって,うち7例にリンパ節転移があった。前立腺癌のstageは,37例はA (25例がstage A1, 12例がA2)で,6例はC,2例はD1であった。stage A1, A2, C, D,の患者の平均年齢は60,66,74,75歳であった。
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