第 III 部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
膀胱癌・前立腺癌治療薬
鈴木和浩
1
1群馬大学大学院医学系研究科泌尿器科学・教授
pp.390-396
発行日 2014年1月31日
Published Date 2014/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201413390
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)に対する標準療法はドセタキセルであるが,今後アビラテロン,エンザルタミド,カバジタキセルが本邦でも使用可能となることが期待されている。アビラテロンは副腎,精巣,腫瘍内でのアンドロゲン産生を抑制するため強力な去勢効果を得ることが可能である。エンザルタミドは第2世代アンチアドロゲンとしてよりpureかつ強力なアンドロゲン受容体遮断作用をもつ。カバジタキセルはタキサン系薬剤でありドセタキセル抵抗性の症例でも効果が期待されている。その他にも塩化ラジウムが臨床試験中であり,また欧米で開発中のカボザンチニブにも期待が寄せられている。これから数年CRPCに対する新薬の動向が注目される。