第III部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
膀胱癌・前立腺癌治療薬
湯浅健
1
,
米瀬淳二
2
1公益財団法人がん研究会有明病院泌尿器科 副部長
2公益財団法人がん研究会有明病院泌尿器科 院長補佐/ 部長
pp.355-359
発行日 2017年1月31日
Published Date 2017/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201713355
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転移性および切除不能膀胱癌,また腎盂・尿管など尿路上皮癌に対する薬物療法は現在,gemcitabin,cisplatin(GC)療法が標準治療として広く施行されているが,最近,新規免疫療法が早期臨床試験にて良好な効果を認め,期待されている。一方,前立腺癌では,2014 年に新規内分泌治療薬エンザルタミドおよびアビラテロンの2剤と,新規タキサン系抗がん剤のカバジタキセルが承認され,治療体系に変遷を迎えた。今回は,膀胱癌に対しては,2016 年に米国食品医薬局(FDA)に承認されたatezolizumab を中心に,開発中の免疫チェックポイント阻害剤について紹介する。一方の前立腺癌に対しては,2016 年に承認された塩化ラジウム(223Ra)のほか,開発中の新規内分泌治療薬について紹介する。