第 II 部 注目の新薬
〔抗悪性腫瘍剤〕「ロンサーフ®配合錠T15,同T20」
福岡 聖大
1
,
吉野孝之
2
1国立がん研究センター東病院消化管内科
2国立がん研究センター東病院消化管内科 科長
pp.281-288
発行日 2015年1月31日
Published Date 2015/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201513281
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近年,大腸がん薬物療法の進歩は目覚ましいものがあり,best supportive care(BSC)のみでは6カ月程度であった生存期間中央値が,2.5年を超えるまで延長されてきている。分子生物学の進歩により,がん細胞の浸潤・増殖・転移などに関わる分子の解明が進み,創薬の中心は分子標的薬へと大きくシフトしている。そうした潮流の中,2014年3月24日に殺細胞性薬としてTAS-102(ロンサーフ®)が承認された。これは後述する国内第II相臨床試験の結果に基づくものであり,本邦において世界初の承認が得られ,2014年5月26日より実施臨床に導入されている。本稿ではTAS-102の作用機序,臨床試験を概説し,今後の展望を述べる。